社会人生活を振り返って 4
<バッドスパイラル>
当初私が担当していた企業は人口100万に満たないある地方都市でした。
そこで私は農家上がりで不動産業をやっている企業が多いエリアの担当となりました。
当時はまさかの自転車営業。
1日多い時で60kmも自転車をこぎ半年で8kg程健康的に痩せることができました。
当時はKPIに訪問件数、というものが置かれており
新人は売り上げ以外にもこの訪問件数の担保を求められておりました。
とにかく頑張らねばと思ってた私は愚直に1日20件の訪問を繰り返しました。
担当顧客が20法人程度、エリアに存在する顧客が100程度。
*私たちは当時網羅率という指標を追いかけており、エリアにおける顧客の●%を
網羅するぞという目標がありました。
とはいえ、これは宅建免許を元に算出される数字です。
業界に詳しい方はご存知かもしれませんが、宅建免許があっても
必ずtoCの不動産業を営んでいるとは限らないのです。
よく考えてみてください。
1日20社訪問を愚直に実施するとなんと5日で担当エリアの全顧客の網羅が終わってしまうのです。しかし、回れども回れども受注にならない。
今から考えると当たり前なのですが、不動産業とはいえ毎月20件も決めなければいけない賃貸業と異なり私の担当エリアは売買がメイン。
例えば1500万円の物件を仲介すると売主から3% 45万円 買主から45万円もらうことができます。すると合計90万円の売り上げをあげられることができます。
不動産業はほぼ原価はかからないのでそれが丸々もうけになるとすると
なんと月1件契約を決めるだけで年商1000万円を越えることができるのです。
そして、どんな時に案件が発生するかというとだいたい相続、転勤などのことが多いです。そういった時に一番の相談相手になれることが地方の不動産業における必勝パターンでした。
そして、その相談相手になることが不動産業者にとっての最も大切なことです。
農家が多い地域では昔ながらの地主さんが不動産業を営んでいることが多いのは
昔から地域で信頼を勝ち得て、地域の相談役担っていることが多かったからです。
まさに人間と人間の生々しい感情が絡むのが不動産ビジネスでした。
そんな事も知らずに、研修で学んだロープレとトークを徹底的にやりこむ。
成果が出ないのは自分が至らないからだと思うように指導されるそんな営業を私はしておりました。