社会人生活を振り返って 5

<ただ訪問するだけの人>

ニーズを理解していない訪問マシーンとなった私は

その努力に対して全く成果が上がりません。

 

先輩方が楽しそうにしているクライアントさんの話も

僕にとっては全く楽しくありません。

そもそも仲の良いクライアントさんもいませんでしたし

訪問しても迷惑がられれて精神修行のようなものでした。

 

特に新しい商品が出るわけでもなく

データを提供できるわけでもなく

ただただ僕は訪問するだけでした。

 

僕「こんにちわ〜いつもお世話になってます」

お客様「今 広告出す物件ないよ〜」

僕「またお願いしまーす」

以上終了

 

とにかく訪問量は圧倒的だった僕は

どんどん痩せていきました。

そりゃそうです。毎日30kmも自転車漕いでいたら誰だって痩せます。

いつの間にか良い体になってました(笑)

でも違う。そんな目的でこの会社に入ったんじゃないんだ!

 

そんな時僕はできる子はやろうと

まずは本をたくさん読みました。

 

サイバーエージェントの藤田社長や

ワタミの渡邉 美樹社長

マネーの虎系の成り上がった方の本を読むと

だいたいが営業会社でトップになったエピソードから始まるんです。

「人が50件訪問するなら自分は100件」

「寝ないで営業していた」

夜討ち朝駆けをした」

などなどいわゆる武勇伝ばかりです。

 

先輩方から色々アドバイスをもらいます。

「なんか暗いよ〜」

「もっと楽しまないと〜」

「自信なさげだよね」

「お客さんの事全然思ってないよね」

「本気で売ろうと思ってないでしょ」

 

自分が売れないのは

「明るくないからだ」

「面白くないからだ」

「本気じゃないからだ」

「お客さんのこと考えていないからだ」

「自信がないように見えるからだ」

 

スーパーいけてない営業マンの完成です。

 

店舗に伺う前にコンビニで気合いを入れる。

無駄に元気に商談に入る。

お客様の回答に対して、とにかく自信満々に答える。

人が5件まわるなら自分は10件まわる。

 

一見正しそうなのですが、やればやるほど売れなくなっていきました。

 

験担ぎもしました。

商談前には焼肉を食べて気合いを入れる。

*いつの日からか匂いがつくものを商談前に食べるのはNGだと気がつきました。

 

先輩の言う事も素直に取り入れたつもりです。

でもどこか違ったのでしょう。

なかなか先輩のようには売れず。その差はとても遠いものに見えました。

 

教育担当の先輩を始め

色々な方が僕を飲みに誘ってくださり励ましてくれたり、慰めてくれたり

様々気を使っていただきました。

 

飲みに誘ってもらい。

「◯◯って プライド高いよね〜」と言われると

「具体的にどんなとこですか?教えてください!」

みたいなことを言って気まずい空気が流れ先輩方を困らせたりしていました。

 

でも全然売れる兆しがありませんでした。

「こんなに頑張ってるのに。。。。なんで。。。」

「自分は社会人として適合しないんじゃないか」

「うちの家系で営業で成功している人なんていないって」

「やっぱりコミュニケーション能力ないと無理なのかな」

「そもそも何が良くて何がダメかわからない」

 

どこの組織もそうなのですが、若手を育成するスキルが当時はなかったと感じます。

そんな中で一生懸命指導をしていただいたのですが

基本的には人間性的な部分の指摘にたどりつき、だからお前は、、、

と落ち着くことが常でした。

 

でもそんな私、実は新人で一番最初に表彰をいただいたのでした。